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2016年10月

2016年10月16日 (日)

「足らず講釈♯101」〜Rewriting of "Tarazu-Kousyaku"#101

“Tarazu-Kousyaku”♯101】(Rewriting)


それでは101番目の目撃報告にまいりましょう。

 

「地元商店街の一角で、『おはこびや出入口』というものを発見しました。扉の二カ所に『出入口』と書かれていました。しかし、足元にはコンクリートブロックが置かれています。更にスレート少々と鉄と竹の棒で封鎖されています。『出入口』としての機能を果たしているようには見えません。また、『おはこびや』という職業も謎です。なぜならば、一般の宅配便業を営んでいる形跡がなく、まして人の気配すらなかったからです。これは、百足らず様や闇足り様に縁のある某かでしょうか。講釈をお願いしたいです。」

 

ということです。「おはこびや」というのは、「通常世界」と「Sモデル地区」を繋ぐ、唯一の交通機関です。それはエアシューターのステーションなのです。これは1/8に縮小された人々が、「通常世界」と「Sモデル地区」との行き来を可能にするためのサービスとして、民間企業によって運営されているものです。1/8に縮小された人々の専用サービスですから、通常の人間のための出入口は存在しません。

 

~♪ ~♪ 

 

おや?

聞こえたでしょうか?タイミング良く、アラートが鳴りました。誰かが「Sモデル地区」から到着するようです。百聞は一見にしかず。到着の様子をご覧いただきましょう。 

 

ご覧いただいたように、ここにある竹筒がエアシューターです。 実はこの移動手段があるために、ある事件が起こりました。或る1/8サイズになった少女がいました。或る時、彼女はこのエアシューターを使って通常世界を訪れました。その時彼女は、或る通常サイズの男性に恋をしてしまいました。

 

少女は思いを遂げるために、「自分も通常サイズに戻りたい」と思いました。しかし、1/8計画では、元のサイズに戻ることが禁止されております。しかし少女は「なんとしても思いを遂げたい。しかし自分のサイズは彼に相応しくない。」と、自分の身が足りないことに悩みました。少女は毎日のように「ああ、身を足らしたい。ああ、身を足らしたい」と、譫言のように囁いておりました。

 

それを見た父親は、自分の娘を不憫に思いました。大富豪の父親は、役人と各チェック機関に巨大な賄賂を払いました。そして、自分の娘が通常サイズに戻り、「身を足らす」ことを見逃してもらうことにしました。


これが「みたらし談合事件」です。 この事件は、後に「Sモデル地区」で大きな社会問題となりました。

 

最後にもう一つ。すでにお気づきのように、こちらに波形のスレートが見えております。このスレートは、先ほどの「地浸ませ壺」の所にもありました。実は、この波形スレートと竹筒は「Sモデル地区」のシンボルです。「Sモデル地区」の各区画の入口には、このような旗が立っております。 < S-13 >

 

この波形スレートは「通常世界」でもあちこちで見かけますが、そのほとんどは「おはこびや」の看板だと思って間違いありません。そこで皆さんにお願いです。「みたらし談合事件」のような出来事が二度と起こらないようにしてください。若い男性や女性は、波形のスレートを見たら、そこに近づかないようにしてください。

 

 

以上で今回の講釈を終わります。ごきげんよう。 

「足らず講釈♯112」〜Rewriting of "Tarazu-Kousyaku"#112

“Tarazu-Kousyaku”♯112】(Rewriting)

今回の足らず講釈は、これまでの中でも日本語の構造がシンプルで、リライトする必要がないのでは?と思うほどでした。一文の長さが比較的短く、平沢さんの言葉をぶつ切りにしなくてすむので、リライトする方としても心が痛まなくて済んだのがありがたいです(笑)。

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足らず講釈です。

 

今回は、八月に投稿された101番と112番の目撃報告に対する講釈です。まず、101番の目撃報告に対する講釈をする前に、112番の目撃報告を理解する必要があります。したがって、そちらを先に講釈いたしましょう。

 

それでは、112番の目撃報告です。

 

「近所を散策していたら、サボテンを発見しました。そのサボテンは明らかにやる気が足りませんでした。これは、百足らず様が通ったからでしょうか。」

 

ということですが、まず、これはサボテンではありません。ましてや、「やる気がない」は大変な勘違いです。実際はやる気満々です。それでは、「このサボテンのように見えるものは何か」というと、これは「この家のご主人」であります。

 

これを理解する前に、まず「Sモデル地区」と「地浸ませ壺」について知っておく必要があります。「Sモデル地区」とは、「1/8計画」が実施される区域であります。「1/8計画」は、1964年に「ウルトラQ」というドキュメンタリー番組で紹介された国家的なプロジェクトです。ちなみにこの番組は現在も動画投稿サイトなどで観ることができます。

(テロップ 注:ウルトラQはドキュメンタリーではありません)

 

「1/8計画」とは、「人間のサイズを1/8にする」という計画です。この計画は、「人間のサイズを1/8にすると、食糧や資源、土地の広さが相対的に8倍になる」という考えに基づいています。もちろんこれは百足らず様の仕業です。

 

それは食糧、資源、領土が足りないという考え方ではありません。「食糧や資源や領土に対して人間のサイズと欲望が足りすぎている」という逆転的な発想が基礎となっています。

 

食糧や資源が足りていないという考察がある一方で、人々は足りすぎる生活を止める気配もありません。また、地球劇場では、資源や領土の略奪に余念のない輩が、未だに大きな権力を持っています。この地球劇場において、百足らず様がその人間の強欲を巧妙に利用して実施したのが、この「1/8計画」であります。

 

 この「Sモデル地区」では、労働の義務と納税の義務が免除されます。教育、医療、住宅は無料で、しかもベーシックインカムまであるため、財力も充分に得られます。多くの人は、「これで8倍の物が所有でき、多大な自由時間と自由なお金が得られる」と勘違いしました。そのために、応募が殺到したようです。目撃報告にある写真は、この家のご主人が、「地浸ませ壺」に入っているところです。

 

「地浸ませ壺」というのは、「Sモデル地区」に移住するために、人間の体を最適化するプロセスのための道具です。「Sモデル地区」では「1/8計画」が実施されています。

 

「地浸ませ壺」は、使用開始時にはこの8倍の大きさがあります。中には特殊な溶液を染み込ませた土が入っており、大人の人間が楽にその土に入ることができる大きさです。 「地浸ませ壺」とその中の人間は、一週間の間に1/8の大きさに縮んでいきます。それと同時に、大地から直接栄養分を吸収できるように、体のシステムが変容していきます。

 

これによって「Sモデル地区」では、食料生産を省略することができ、人々は地面から体へと、養分を直接染み込ませることができるようになります。そのため、この壺は「地浸ませ壺」と呼ばれています。ちなみにこの「地浸む」という言葉は、後に縮むとなり、物事のサイズが縮小されるという意味の言葉として使われるようになりました。

 

この写真はちょうどご主人が「地浸ませ壺」に入って一週間目に撮られたものです。ちなみに二週間後にはこうなります(画像)。

 

「地浸ませ壺」に入った人間は、最初の一週間で外見が植物のようになりますが、場所の移動以外は身体機能にほとんど制限はありません。このご主人はやる気がないどころか、実は猛烈に仕事をしているところです。それは、この壺の裏側を見れば分かります。これが壺の裏側であります(画像)。

 

さて、ご主人が「地浸ませ壺」に入って二週間が経つ頃には、ご主人は次第に元の姿を取り戻し、ご主人はこのような姿になります。さらに二週間で、体は地面に埋まるだけで、自ら養分を吸収することができるようになります。そこで、ついに壺を離れて、念願の「Sモデル地区」への移住になります。

 

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