音楽

2018年4月30日 (月)

ヒカシュー『絶景』(CD&DVD)の感想


私がヒカシューを好きになったのはヒラサワファンになるよりはるか前のことだった。当時十代前半、「テクノ」「ニューウェーブ」などという言葉すら知らず、今だったら(良い意味で)「変態的音楽」などというのかもしれないが、当時はどう形容したらよいかわからず「私は『こういうの』が好きなんだ」と初めて自覚したことを何となく記憶している。そしてそのまま「『こういうの』が好き」で現在に至っているわけで、今振り返ると貴重な出会いだったと思う。

 

そのヒカシューと平沢さんの「奇跡の邂逅」、『ヒカシューの絶景クリスマス』が2016 1225日、代官山UNITにて開催された。このライブを見逃すという選択肢はありえず、チケット発売と同時に即購入。そのために番号がとても良く、巻上さんがぶら下げているキノコのようなペンダントなんだろう・・・と最前列で眺め続けながらライブに参加するというぜいたくを味わった。あまりに近すぎてステージ全体を見渡すことができず、目がとても忙しかったために、平沢さんの「美術館で会った人だろ」ジャンプを見逃してしまったほどだ(不覚)。(例のハグは衝撃と共にしっかりと目撃)

 

そのライブCDDVDがこのほど発売された。当初は配信のみの予定だったが多くの要望に応えての発売ということである。本当にありがたや・・・!

 

ヒカシューの演奏のすべてが素晴らしく圧倒されっぱなしの3時間だった。それにしても、平沢さんと巻上さんがそれぞれの歌をとりかえっこしてご披露なさるなどいったいどなたのアイディアだろう。

 

生演奏の「庭師KING」はとても素晴らしく、巻上さんの力強いヴォーカルを堪能しつつ、一方で改めて原曲の持つ力を感じたことを覚えている。

また今回DVDを見て気づいたのは、三田フリーマンさんの「庭師KING」のギターが情熱的でとてつもなくカッコ良いこと。まるで血肉をもつKING

 

それからDVDには収録されておらずCDのみであるが、巻上さんの「Ruktun or Die」は別のナニかになっていてとても面白かった。会場中の「ルクトゥンオアダイ!!ルクトゥンオアダイ!!」の熱狂が思い出される。


 

実はライブ前の12月、平沢さんのtwhz)によって、私の中には「もしかしたら二人曲をとりかえっこする?」という予感と期待がかすかにしていた。↓

 

 

    80年代の細胞が積層の下で赤赤と炊かれた熱風の中を進んでおりました。

 

    向こうの方では、かつてヒラサワというチンピラが放火した場所に再び

    着火しそうな人影がうごめいている。

 

    ステルス某は積層の下で試行錯誤して、なんとかステルス型に変換でき

    たらしい手応えを得て安堵する。

 

    そして、向こうでうごめくあの人影の男は、「あらよっと」と身軽に屋根

    に登り、あの男型に変換された絵札をばらまいてくれるに違いない。

 

    奇妙なパノラマまで、あと少しだよ。2016126日のtwhz)より)

 

 

このtwhz)が頭にあり、ライブでは「おおやっぱり来た!!」という興奮と嬉しさがないまぜになった。だがしかし、まさか、まさか・・・平沢さんが「プヨプヨ」を歌うとは予想だにしていなかった。私の中で「プヨプヨ」は「平沢さんが歌うなどありえない」と、真っ先に消去されていたのだ。ほんとうに参った。

 

今回のライブは長年の「絶対ありえないけど、あったらいいな」が本当になったライブ。ヒラサワファンとしては「平沢さんに限ってありえない」と思ってしまうことが日頃多々あるけれども、もうそんな勝手な思い込みは捨てた方がきっと幸せだ。最近とみにギターにやる気を見せている平沢さんを思ってもますますそう感じる。